臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。
それは…

図星すぎて,私は答えに窮する。

すると,雫は私の背中を,優しく叩いた。



「ほら,早く行きな…! …今度,ショッピングに行こうね」

「ショッピング?」



それは,行きたいけど…なんで今なんだろう。

首をひねったって分からなくて,私は続きを待つ。



「今から頑張る澪に,可愛い服,買ってあげるから」



…雫ったら。

私はくすくすと笑って



「じゃあ私も…! 雫に可愛い服見繕って買ってあげる!」

「なんでよ」



呆れたように笑う雫に,また1つ笑みを深めた。



「澪,どっちに行った?」

「私が来た方向から,2つ目の角を曲がって,更に1つ目の角を左」



私は真剣に聞いて,頭にインプットする。

1つ間違えるだけで,お互いを探して会えなくなるから。

1秒でも早く,澪に会いたい。

そして……
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