臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。
伝えようと必死に顔を上げると,その先で。

澪が目を丸くしたまま,私の言葉を待っていた。

突如,身体中に酸素が回って。

今までで1番なんじゃないかと言う程,呼吸が楽になる。

私は思い切り息を吸って,口を開いた。



「私,ずっとずっと…澪が,すきです。だから,澪の,義姉で彼女になりたいです」



そのまま,澪へ1歩踏み出し,ガクリ。



「…みお!」

「はー…っ」



恥ずか,しい!

1秒前の勇気は一瞬だったみたいで,私は両手で顔を覆う。

澪も,もしかしてこんな気持ちだった?

こんなに頑張って伝えて,断られるって,相当ショックだ。

あぁ,そうだ。

返事は? と顔を上げると,澪の両腕が,私に伸びている。
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