臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。
何のとは言わないけど,寸前で澪がピタリと止まる。

何事かと思っていると,しゃがんだ体勢から,あぐらに澪が切り替えた。

そして,心から愉快そうに笑う。



「やっぱり,今度にしよっか」



澪の流し目に釣られて視線を動かすと

知らない人が何人か,私達に釘付けになっていた。

ぅ…

ここ,外だった。

恥ずかしさで頭が沸騰する。

湯気が出そうな程顔が熱くなって,頭がくらくらした。

すると澪が,「よっ」と立ち上がる。



「ほら,みお。帰るよ」



"私を抱えて"



「ひゃぁ…?!」



待って,待って。

私,今体重いくつ…?!

違う,違う。

それよりも…

更に目立ってるよ…! 澪!

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