臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。
気持ち悪いと,思わない?



「だってそこは仕方ないでしょ? 私がお父さんに惹かれたのに,その息子が魅力的な(みお)に惹かれないわけ,ないんだもの」



一見暴論に見えるけど,愛だなと思った。

お父さんを愛してた。

澪との繋がりをハッキリ感じて,確信してる。



(みお)に初恋持ってかれた瞬間の(れい),完ぺきだったな。お父さんも笑ってた」

「「え…」」



懐かしむように目を細めたお義母さんに,私達は揃って声を出す。

澪は焦ってて,私は顔を赤くした。

ん? え? お父さん?



「その日の晩酌は,今までで1番楽しかった。確かその日は…」

「待っ…! て。それ以上,言うな…」
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