臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。
隣をみて驚く。

澪が,照れてる?

澪は唇を震わせて,赤い顔を片手一杯に隠していた。

あれ,とようやく気付いたお義母さんが,意地悪く笑う。



「澪? 今もしかして,私に"言うな"って言ったの? 気のせいかな,そう言われると他の話も…」

「…~言っわないで」

「よかろう」



ふふんと鼻を鳴らしたお義母さん。

澪,悔しそう…

その話,いつかこっそり聞けたりしないか…



「みおも,聞かないで」

「…はい」



お義母さんがふと目を閉じて,背を壁に預ける。

揃って反応すると,お義母さんは柔らかい声を出した。



「……告白するならどっちだろう。(みお)は奥手そうだ。ある日突然,結婚するなんて言い出したら…お父さん勝手に妄想膨らませて…ちょっと気持ち悪かったくらいだよ」



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