臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。
「じゃあ,本当に……いいの? 澪のこと好きって言っても」

「キス以上をお義母さんの前でしないでくれたらね」



カラカラとした笑い声に,思考が止まる。



「するわけない……」



すっと私に影が落ちる。



「お?」



次にお義母さんの楽しげな声が耳に届いた。



「れ…」



はっとした時にはもう遅い。
   
ふにゅんと,澪の唇が当たった。



「流石。私から出てきただけある」



唇の端に。

何故か自慢そうなお義母さんは,幸せそうに吐息を1つ漏らす。



「澪が1番綺麗になる瞬間,その時にも見れるのを期待してるよ」



私が,1番綺麗に…?



「そんなの直ぐだよ」

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