臆病な私に，君の溺愛は甘過ぎる。
だけど，雫は多分，私のどこかを嫌ってる。

でなければ私1人に狙いを決めて，あんな風に嫌がらせじみたことはしない。

と，思う。

だけど，私にはどれだけ考えても，時折雫に恨まれてると言っていいほどの目を向けられる覚えがない。

……まぁ，私が澪のお母さんと再婚したお父さんの娘で，何の苦労もなく澪と居るからと言う線もあるけど。

でも，何でだろう。

雫は何故か唯一私の気持ちに気付いていて，でも何も言わない。

澪にも，何も。

ただ2人並ぶ姿を，あらゆる時に見せつけてくるだけ。

雫って，ちょっと分からないと思う。

もっと言うと，変。

だって，話していて楽しいのは，雫が私を知って，話題をくれるから。

私が澪の友達だったなら，私が義姉で無かったなら。

きっと，恋敵(ライバル)として，もっと仲良く出来たかもしれない。

胸を張って友達だと言えたかもしれない。

そんな腰抜けの妄想に浸った，昼休み。

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