臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。
「その話をしようとしてたんです。今日は」



え,え。

どの話。

私が夾くんの態度に戸惑っていると,私達に気付いた周りがか勝手に沸いていく。



「俺,自業自得なんですけど,昨日みおさんに会えなくて…考えたんです。こーゆー時に呼んで来て貰えるような関係だったらいいのにって」

「みお!」



澪の大きな声に,私は素直に振り返ってしまった。

自意識過剰でもなんでもなく,用件を理解してしまった私は「あ」と思う。

そんな経験はただの1度だけで,本当にそうかと後で聞かれたら,多分はっきりとは答えられない。

こうゆうのは,肌で感じるもの。

じわじわと熱が頬に行く。

そうだと分かっても,まさかと言う気持ちが捨てきれない。
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