臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。
「で,昨日の話に戻るんですけど,電話,他校の幼馴染みの母親からだったんです。そいつが階段から落ちて病院行きだって」

「え!?」



それは……あの状況で抜けたくもなる。

容態は大丈夫だったのだろうか。

私は態度に出やすいらしい。

私の顔を見た夾くんは苦笑いを1つ落とすと,「大丈夫ですよ」と言ってくれた。



「なんか学校での事だったんですけど,本当に念のためだったらしくて。足をちょっと捻ったくらいで済んでたらしいです。向こうの母親も呆れてました」

「良かった……」



怪我してるなら,良くは無いのかもしれないけど。



「それで,もっと大事なやつが居るなって気付いて,付き合うことになったんです」

「お,おめでとう?」



若いってすごい。

スピーディーな展開に,そんなことを思った。
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