臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。
「そ,幼馴染み。で,お馬鹿だったからさ,ちっちゃい時に色々やらかしちゃったの。全然許してくれなくて参っちゃうよね」

「は? 幼馴染みって言うのもやめて…まぁ,その話は置いといて,もう一回だけ言うから良く聞いて。澪におかしなちょっかい掛けないで。追い詰めてるのが分からないの?」



分からないよね,だから私は許してないし,今もこうなってるんだもの。

と言う雫の恨み言は,それとなく流させてもらう。



「俺は別に追い詰めてる訳じゃ…。ごめん。みおちゃんめっちゃ怯えてんじゃん」

「だ,だいじょーぶ,です」

「敬語とか要らないし,警戒しないでよ」



ふにゃっとした笑みに,私は簡単に騙される。

少しだけ前に出ようとすると,雫が止めて,私はだめ? と首をかしげた。
< 82 / 262 >

この作品をシェア

pagetop