臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。
「え…えっと。知り合いですか?」

「あ…麻冬ちゃん?」



まさか,妹って言うのは…



「麻冬が興奮しすぎてて,心配だから着いてきたんだけど,まさか澪だったなんて思わなかった」



私だって…そんな偶然があるとは思わなかった。

知ってたら助けなかったかと言われれば,それはまた別問題なのだけど。



「麻冬が迷子になったの。俺の誕プレ買うためなんだ。俺,昨日で17,澪の年上になったよ」

「そういえば,うん。おめでとう」

「憶えてたんだ」



じっと麻冬ちゃんを見ると,逆に何故分からなかったのだろうと言う気になる。

2人はこんなに似ているのに。

それぞれ対称の位置にある泣きぼくろからも,菖は充分思い浮かぶ。




「さっきからもうちょっとなんか,言ってくれないと。まぁいいや。麻冬が天使のおねーさんだって。前よりもっと可愛くなったね,澪」

「え」

「お兄ちゃん?」
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