臆病な私に,君の溺愛は甘過ぎる。
流石に話の読めない麻冬ちゃんが,そろそろ不安そうな顔をする。

こんな兄は,見たことが無かったのかもしれない。

でも,私だから思うの。

菖,変わってないね。

本当に何も。

その瞳をみて,やっぱり安心した私は,どうしよもない。

菖に含みはないと,『菖もかっこよくなったね』と私も返せば良いのに,やはり躊躇するのは。



「俺は今も好きだ」

「「え…」」

「え,お兄ちゃんとおねーさんって,まさか。じゃあ昔言ってたのと,この前の…」

「麻冬」「麻冬ちゃん!」

「あれ? 澪も何かあんの?」

「や…ちょっと。とにかく,その話は」

「あ,はい」



これは,どうすれば良いんだろう。



「取り敢えず,あが…る?」
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