【完結】橘さんは殺された。


「お前が知らなかっただけなんじゃないか?」

「そう……なんですかね」

 確かに橘さんのことは、俺達もあまり聞かれなかった。主に聞かれたのは、先生達だけだったからな。
 先生達からも、あまり橘さんのことは聞かなかった。

「……とにかく、この事件はまだ終わってません」

 俺は橘さんを殺した犯人を必ず見つけだす。

「藤嶺、熱くなるのもいいが……慎重にな。一歩間違えたら、大変なことになるぞ」

「……分かってます」

 そんなの、分かってる……。

「まさかお前……。一人で捜査するつもりじゃないだろうな?」

「一人でやります。……俺はそのために、刑事になったんですから」

「一人でやるのは時間がかかる。……俺も手伝う」
  
 瀬野さんは、俺にそう言ってくれた。

「え……?」

「俺だってこの事件、解決したいからな」

「……ありがとうございます、瀬野さん」

 俺のバディが、瀬野さんで良かった。

「ただ、調べるにしてもまずは事件を洗い直す必要がある。 だがこの事件だけを調べる訳にはいかない。他の事件が起きたらそっちを優先する。……いいな?藤嶺」

「……はい。分かってます」

 橘さんを殺した犯人を見つけるまで、俺は絶対に諦めない。
 必ずこの手で、事件の真相を暴いてみせるーーー。

「後、一人で勝手な行動は絶対に取るな。先走って事件の真相を見落としたら大変だ。 俺達は刑事だ、何があっても感情的になってはならない。これは警察官なら当然のことだ。……分かったな?」

「はい。……分かってます」

 こうして俺の、必死の捜査が始まった。



◇ ◇  ◇
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