【完結】橘さんは殺された。
③事件の再捜査
「お久しぶりです、城戸先生」
「……ん? まさかお前、藤嶺か!?」
「はい。藤嶺です」
当時の事件の捜査資料を見直した俺は、再び再捜査を始めた。
瀬野さんに協力してもらいながら、捜査にあたる。
「久しぶりだな、藤嶺。 お前今何やってんだ?」
「警察官です。捜査一課で、事件の捜査を行ったりしています」
「警察官? お前警察官になったのか?」
「はい」
当時の担任の城戸先生は、俺が刑事になったことにものすごく驚いていた。
「そうか……。警察官か、すごいじゃないか」
「ありがとうございます」
「所で、そんな藤嶺がなんで俺の所に? 俺は何も犯罪犯してないぞ?」
と、城戸先生は冗談交じりに言ってきた。
「分かってますって! 今日は、橘さんの事件のことで聞きたいことがあって来ました」
「……橘の事件のこと?」
城戸先生はまさかそんなことを聞きにくるなんて思ってもなかったのだろう。
何で今更?という顔をしていた。
「実は俺、橘さんの事件を解決したくて、刑事になったんです」
「橘の……事件を?」
「はい。 橘さんの事件は、未解決事件として処理されてしまった。だから俺は、その犯人を絶対に捕まえたいんです。……橘さんの無念を、晴らしたいんです」
そのために刑事になったんだから。