【完結】橘さんは殺された。
   

「どうだったけな……。藤嶺、お前のほうが知ってるんじゃないのか?」

「えっ!? いや、俺は知りませんって……!」

 いきなり俺に話を振ってくるなんて、さすが城戸先生だ。
 城戸先生は昔からそうだったと思い出す。

「お前、好きだったんよな?橘のこと」

「な、何で知ってるんですか!?」

 俺何も言ってなかったのに……!? バレてたのか!?

「お前分かりやすいからな。俺にはバレバレだったぞ」

「えぇっ……」

 そうだったのか……。俺はそんなに分かりやすかったのか……。

「お前、橘によくお菓子もらってただろ? その時のお前、ものすごく嬉しそうだったもんな?」

「や、やめてくださいよ、先生……!」

 俺の隠したい恥ずかしい過去を暴露されてしまい、ものすごくあの時の自分を恥じたくなる。

「俺はお前のこと見てたから、分かるんだぞ。……お前、ものすごく悔しかったんだな、橘のこと」

 そう言われたら、俺もそうだと思う。 みんな橘さんのことは好きだったと思うし、俺も好きだった。
 橘さんが誰に殺されたのか……。それも分からないままこの事件は未解決事件となってしまった。
 俺は今、その無念を晴らしたくてここにいる。
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