【完結】橘さんは殺された。
「藤嶺、暴行事件発生だそうだ。行くぞ」
「はい!」
捜査中別の事件が発生したため、すぐにそっちに臨場した。
「お疲れ様です」
「お疲れ様です」
犯行現場に急行すると、そこには女子高生の遺体があった。
「……女子高生」
女子高生を見ると、なぜか橘さんのことを思い出す。
「被害者は、この地区に住む女子高生、番(つがい)亜希さんだ。 塾の帰りに何者かに暴行を受けて殺害されたものと思われる」
「………」
この事件……橘さんの時の事件とどこか似ているか……?
「鑑識さん、被害者の遺留品は?」
瀬野さんが鑑識さんに問いかけている。
「これです。 遺体の近くにカバンが落ちていましたが、財布やスマホなどの貴重品は入ったままですね」
「そうか。 金品目的では、ないってことか……」
貴重品などは入っていた、ということは……。確かに金品目的では無さそうだな。
「他には? 何か見つかったか?」
「被害者の近くに毛髪が落ちていました」
毛髪が落ちていた? それは犯人のものなのか……。
「指紋の採取は?」
「今やっている所です」
「分かった」