【完結】橘さんは殺された。


 そしてここからは、本職【捜査一課の刑事】としての、俺の仕事だ。
 そしてここからは、瀬野さんも加わる。

「牧村先生。事件を再捜査してるうちに、牧村先生が事件に関係しているということを俺達は掴みました」 

「……えっ、何言ってるんだ? 俺が事件に関係してるって?」

 そう言った瞬間の牧村先生の表情が、明らかに変わった。

「そうです。……牧村先生、あなたは橘智夏が年齢を偽ってキャバクラでバイトをしていたことを、知ってましたよね?」

 そう俺が問いかけると、牧村先生は焦ったような表情を見せ、黙り込んでしまった。

「……やはりそうですか。 先生は知ってたんですね、橘智夏のバイトのこと」

「な、なんのことか……分からないな」

「牧村先生、惚けてもムダですよ。 あなたが橘智夏のキャバクラのバイトのことを知っていたという事実を、俺達は掴んだんですよ?」

 惚ける牧村先生に、瀬野さんはそう言葉にした。

「……っ!?」

 表情がまた変わった。……明らかに動揺しているな。

「橘智夏が殺された日の夜、牧村先生のことをそのキャバクラで目撃していた人がいたんですよ。……同じキャバクラの店員が、貴方が橘智夏の後を付けているのを目撃してたんです」

「っ……!?」

 この表情は……やはりそうだな。間違いないーーー。

「……牧村先生、あなたが橘智夏を殺したんですか?」

「違う、俺は殺してない……! 俺じゃない!」

 牧村先生は俺達に怒鳴りつけ、席から立ち上がった。
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