【完結】橘さんは殺された。
「……まあ、そうですね。刑事さんの言う通りです」
父親は全て自白した。 事件の真実を、全てーーー。
「浅羽さん、今日が何の日か分かりますか?」
「……え?」
「今日は、橘智夏さんの命日です。今日で八年目になったんです」
「……そうか。今日は智夏の……」
父親は悲しげな表情を見せた。
「浅羽さん。あなたのしたことは、決して許されない。……あなたは最愛の娘さんを、その手で殺した。そして彼女の人生も、彼女の幸せも、何もかもを奪ったんです。罪を償って反省してください」
「………」
橘さん、お待たせ。こんなに長く待たせてごめんね。
「浅羽文彦さん、八年前の女子高生殺害事件の容疑で、あなたを現行犯逮捕します」
ようやく橘さんを殺した犯人を捕まえたよ。
本当に本当に、待たせてごめんーーー。
「智夏……っ」
「橘さん、これからしっかり罪を償ってください。……娘さんのためにも、しっかり」
「……はい」
こうして事実を認めた父親を、俺は警察署まで連れて行った。
警察での取調べでも、浅羽文彦は俺に話したことと同じ内容を供述していた。
罪を認めた父親は、その後検察へと送検された。 そしてその後は、事件に対する裁判が行われることとなった。
◇ ◇ ◇
「橘さん……犯人捕まえるの、遅くなってごめんね。もう大丈夫だから」
それから少しして、俺は橘さんのお墓参りに来ていた。
改めて、事件解決を報告した。