1ページホラー夜の章
引っ張る
「引っ張る」
これは女子高校生のAさんが体験した話。
冬の寒い日。
夜中、彼女が眠っているとかけ布団がずるりずるりと下に引っ張られていく。
彼女はかけ布団がなくなって寒くて目が覚める。
すると、布団を引っ張る長い手が足元にある姿身からにゅっと出ていた。
それがかけ布団を引っ張っていた。
わけがわからず必死に引っ張り返した。
するとその手はかけ布団から手を離した。
それからかけ布団の中に手を入れて直接Aさんの足をぎゅっと掴んだ。
足を掴まれたAさんはもう無我夢中で足を引っ張ろうとするが、手の方が力が強い。
Aさんは必死にその手を剥がそうと頭を働かせる。
そして、Aさんはその手の指、きれいに整えられた長い爪をぺりっと剥がした。
「ギャッ」
鏡の中から声がして、その手が鏡の中に吸い込まれていった。
幽霊なのに手がきれいだったな。
Aさんはふとそんなことを思った。
翌日、朝の登校時一緒にいた友達にこの話をした。
友達は、真顔で聞いている。よほど怖いのだろうなと思った。
話し終えるとちょうど校門の所だった。
友達とはクラスが別なので「またお昼ね」と手を振った。
友達もそれに応えるように手を振った。
人差し指には包帯が巻かれていた。
これは女子高校生のAさんが体験した話。
冬の寒い日。
夜中、彼女が眠っているとかけ布団がずるりずるりと下に引っ張られていく。
彼女はかけ布団がなくなって寒くて目が覚める。
すると、布団を引っ張る長い手が足元にある姿身からにゅっと出ていた。
それがかけ布団を引っ張っていた。
わけがわからず必死に引っ張り返した。
するとその手はかけ布団から手を離した。
それからかけ布団の中に手を入れて直接Aさんの足をぎゅっと掴んだ。
足を掴まれたAさんはもう無我夢中で足を引っ張ろうとするが、手の方が力が強い。
Aさんは必死にその手を剥がそうと頭を働かせる。
そして、Aさんはその手の指、きれいに整えられた長い爪をぺりっと剥がした。
「ギャッ」
鏡の中から声がして、その手が鏡の中に吸い込まれていった。
幽霊なのに手がきれいだったな。
Aさんはふとそんなことを思った。
翌日、朝の登校時一緒にいた友達にこの話をした。
友達は、真顔で聞いている。よほど怖いのだろうなと思った。
話し終えるとちょうど校門の所だった。
友達とはクラスが別なので「またお昼ね」と手を振った。
友達もそれに応えるように手を振った。
人差し指には包帯が巻かれていた。
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