1ページホラー夜の章
夜が明ける
夜が明ける

これは社会人のFさんが体験したお話です。

Fさんは寝る前によく仕事の事を考えていました。

Fさんは勤続10年で今の会社で安定した立ち位置にいました。

もう20年も勤めるのか。今のままで……。

Fさんは特に出世欲もなく、問題もなく、ある程度先のキャリアも予想できていました。

毎日毎日朝を迎えるのがたまらなく辛い。

そう考えながら眠りにつくのです。

もちろん気持ちいい朝を迎えられるはずもありません。

そんな日々を続けていたFさんはある朝寝坊をしました。

時計は朝の9時を指しています。

いけない寝すぎた!

そう思ってカーテンを開けると外はまだ真っ暗でした。

「えっ?」

Fさんは困惑しました。今の季節なら6時にはもう日は昇っているはずです。

「そうだ。会社に連絡しなければ」

会社に携帯電話で連絡をしようとしますが圏外でした。

何が起こっているのかわからないFさんは、なぜかいつものルーティンである仕事支度をし始めました。

顔を洗い、軽い朝食にコーヒー。スーツに汚れがないか確認し着替えて部屋を出ました。

そこでFさんは目が覚めました。

Fさんは時計を見ました。朝の6時でした。

Fさんはカーテンを開けると太陽が昇ってきている所でした。

その日からFさんはなにか吹っ切れたとのことでした。
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