1ページホラー夜の章
天井の羽虫
天井の羽虫

これは社会人のAさんが体験した怖い話です。

明日は休み。

夜ふかしするかと適当に過ごしていた。

寝る気はなかったがベットにぼふっと体を預けた。

なんとなく天井を見ていると天井と壁の「の部分に羽虫がいるのが目に入った。

起きるのも面倒くさい。

そう思って気にしないようにするがやっぱり気になる。

そこで虫を取ろうと椅子を持ってきた。

椅子に乗ってティッシュで虫を潰した。

すっきりした気持ちで天井を見回した。

すると反対側の方にさっき潰した羽虫と同じような虫がいた。

どこから入ったのか。

窓をみたが閉まっている。

湧いていたら嫌だなぁ。

そう思いながら椅子をそっちに持っていって同じように潰した。

もう大丈夫だろうと天井を見ると……いる。

さっき潰したと思った所にまたいる。

なんだよと思ったが、他にもいるんじゃないかと思って注意深く天井を眺めた。

そうすると薄っすらと天井に染みがあるのがわかる。

虫がいる所の周りに丸い輪郭があって虫がその中を動いている。

それを見てわかった。

目だ。

今見てる反対側を見るとやっぱりそこに虫がいてその周りを薄っすらと丸い輪郭がある。

それを全体的に俯瞰して見ると完全に目立った。

虫がこちらを見るように動く。

それに見られると体が金縛りにあった。

そのままAさんはいつの間にか寝ていた。

朝起きて見ても天井には染みがなかった。

あれは何だったのか。

それからたまに見られていると思う時がある。

そういう時は布団を被って寝るようにしている。

今度天井を見たら連れて行かれそうな気がするから。
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