【11/19番外編追加しました】辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される

やはりあれだけの毒だったので、また体調が悪くなってきたようで、大きく胸のあたりが上下している。
もしも悪い人だったとしても、今のような体調では何かをすることはできないだろう。
それに、やはり病人を放置することなど私にはできない。
小さく息をついて、先ほどは緊急だったため苦かった薬を、とろみのある甘いお茶に溶かす。それを持って彼のベッド、正確には私のベッドのそばに行けば、ゆっくりと瞳が開いた。

飲んで！

そう願いながら彼を見つめると、条件反射なのだろう。ごくりと薬を飲み込むのがわかった。

この薬草が効けばいいのだけど。祈るような気持ちで彼を見守っていると、ゆっくりと閉じられていた瞳が開かれた。