【11/19番外編追加しました】辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
そっと、アンネをベッドに寝かせると、優しく殿下はアンネの髪を撫でて頬にキスを落とした。

「フェリーネ、こちらへ来てくれる?」

王子なのだからもっと命令でもなんでもしてくれたら私だって従うしかないが、疑問形で聞かれるとどうしても素直に返事ができない。
そんな私の手をそっと取ると、少し強引に殿下は私を隣の部屋へと連れていく。

「殿下、お放しください!」
そんな私の声を聞こえないふりをして、彼は大きなソファに私を座らせ、あろうことか自分は私の足元に膝をつく。

「おやめください!」
あまりの光景に私が声を上げれば、彼はそのまま私の手を取り俯いたままだった。

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