【11/19番外編追加しました】辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
「アレックス様、今日は片づけは私がしておきますので、三人で散歩に出られては? 離れもお使いいただけますよ」

「え!」
驚いて声を上げた私だったが、コレットさんは微笑みを浮かべながら続けた。
この城はとても広く、裏の敷地には湖があり、その湖畔はとても美しく、そこには大きくはないが離れの家が建てられていて、そこでゆっくりして来いということなのだろう。

「お昼もそちらに準備してありますので」

「ありがとう」
にこやかに、何か裏がありそうな雰囲気を醸し出す生ぬるい空気にいたたまれなくなる。

「フェリーネ、コレットの好意を無駄にしてはいけないな?」

私から断れないように外堀から固められた気もする。私は小さくため息をついた。
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