【11/19番外編追加しました】辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される

この間のこともあり、心配になり聞くとアレックス様は私の近くに歩いてくる。

「城の中だ。場外の警護も結界も今は万全だよ。それに俺は三人がいい」
甘く囁くように言うアレックス様に、私は耳が熱くなるのがわかる。
きっと私の顔は変な顔をしているだろう。そんな私を見てアレックス様はクスクスと嬉しそうに笑った。

三人で歩いて湖まで行く。アンネの歩くスピードに合わせてゆっくりとした歩調だが、木々の緑が美しくとても穏やかな時間だ。

アンネも楽しそうに座り込んで花を見たり、蟻を追いかけたりと微笑ましい。

「生死を彷徨ってよかったな」
アレックス様が不意に言った言葉に私は驚いて彼を見た。

「なんてことを言うんですか？！」