【11/19番外編追加しました】辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
今は三人ということもあり驚いてつい言葉が出てしまったが、アレックス様は私の手をそっと取る。

「城にいたらこんな風に自分の子とゆっくりする時間もなかったかもしれない」

毎日多忙な日々とたくさんの人の目がある王子ならば、それはもっともだろう。

温かい手のぬくもりだが、いつまで続くかなんてわからない。
アレックス様は私をアンネの母として、妃にと言ってくれたが本心だろうか。
不安になることがありすぎて私はそっと隣の彼を仰ぎ見る。

「アレックス様、婚約者様は本当に良いのですか?」

ソフィアやあの両親が本当に諦めたのかわからない。それを聞いておかなければいけないと私が問いかけたところで、湖と離れが見えてきた。

そこにはテーブルや椅子もセッティングされていて、ティーセットやお茶菓子まである。
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