【11/19番外編追加しました】辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
なんて皮肉なことなのだろう。父が同じなのだから、面影があってもおかしくはない。それが理由でまさかソフィアが相手になってしまうとは。

「それに実物はソフィア嬢はフェリーネに似ても似つかないよ」
「え?」
意外な言葉にアレックス様は少し表情を歪めた。

「フェリーネみたいに温かくもないし、愛情深くもない」
ソフィアと出会っても私がいいと言ってくれた彼の言葉に嬉しさが募る。
いつも、かわいらしいソフィアと比べて醜い私はいないも同然だった。

「きれいな方ですよ」
照れ隠しのように言った私の言葉に、アレックス様は心底驚いたように声を上げる。

「どこがだ? フェリーネの方が数倍美しいよ」
「え?」

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