【11/19番外編追加しました】辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
最後は聞こえないぐらいの声になってしまったが、子供までいるというのにこの空気に耐えきれなくなって、羞恥で私はお茶のお代わりを入れようと立ち上がった。
そんな私の腕を優しく後ろからアレックス様が引き寄せる。
彼の膝に座るような形になってしまい、私はもはやパニックだ。

「どんなことをしてでも俺はフェリーネとアンネを認めさせる。俺を治癒してくれた命の恩人だ。それだけで大丈夫だから心配しないで。だから俺のことを好きになって」
蕩けそうに伝えられたその声に私はもう訳がわからない。ドキドキとする気持ちを隠せず彼の腕から逃れようとすれば、それを制するように余計に抱きしめられる。

動けなくなり、私は彼の腕の中でおとなしくするしかなくなった。
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