【11/19番外編追加しました】辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
その答えに私は目を見開く。どうしてサバティーニ家なのか。その名前に私の背中には冷たい汗が流れ落ちる。

「サバティーニ?」
アレックス様も驚きを隠せないようで、同じように呟いた。
自分の現状を考えずサバティーニに行くことなど、普通では考えられない。私の結婚を阻止したいとしても、今サバティーニに行く理由など考えられない。

「王都に戻る」

アレックス様も何かがおかしいと感じたのだろう。
アレックス様がこうしてこの地にとどまっている間に、何かが起きているのかもしれない。
そして私の生家が関わっているかもしれないという事実。
もはや私も逃げてはいられない。

「アレックス様」
私の呼び声に彼は振り返ると、少し悲し気な表情を浮かべた。

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