【11/19番外編追加しました】辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
こんな豪華な部屋に、王妃様付きの侍女の話。まさかこんな待遇で出迎えられるとは思っていなかった私は驚いて声をかける。

「私の命の恩人だ。これぐらいは当然だ」
アレックス様の言葉に恐縮してしまうが、アンネはすぐに積み木で遊び始めてしまった。

「でも……」

「フェリーネ、私の望みだ。頼む」
“殿下”として言われたそのセリフに私は何も言えなくなってしまう。

「トマス、とりあえずありがとう」

「それでは一度失礼いたします。後ほどクラリスをご紹介させていただきますね」

そう言うと、トマス卿は一礼をして部屋を後にしたのを確認すると、不意に部屋に結界が張られたことがわかった。


それを感じ、私が周りを見渡すと、アレックス様が私のそばへとやってくる。

そしてそっと頬に触れた。

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