【11/19番外編追加しました】辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
もう一度謝罪したアレックス様に私は慌ててそれを制する。

「おやめください、アレックス様が悪いわけではありません」
「でも、グレッグの言葉を信じ、二人を放置してしまった俺の罪は重い」
確かにその間、私に大変なことはあった。しかし、信じてくれなかったというほど、私たちはお互いを知らなかった。お互い真実を隠し、偽り、まるで現実だと思わないような世界にいたのかもしれない。

「もう、そのことは大丈夫です」
呼吸を整えて静かに伝えれば、アレックス様はホッとした表情を浮かべた。

「フェリーネにも国王に会ってもらったりすると思う。だからこれぐらいは用意させてくれ」
チラリとドレスに視線を向けた彼に、私も覚悟を決めて頷いた。

「今日は疲れただろう、少し休むといい。夕食は一緒に取ろう」

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