【11/19番外編追加しました】辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
王妃様付きから来たクラリスは、私より年も上の男爵令嬢にもかかわらず、とても穏やかで優しく美しい女性だった。

そんな彼女を「クラリス様」と呼ぼうとする私をたしなめ、王宮のいろいろなことを教えてくれている。

「フェリーネ様、今日はこちらの方々のお名前を憶えていただきますね」
分厚い本を片手にクラリスは机に向かった私に、「がんばりましょう」といった目を向ける。

昔伯爵家にいた時は、十五までは令嬢として育ったし、その後はいろいろと雑用もした。

手紙を書いたり、父の代わりに帳簿付けなどもさせられていたため、これぐらい苦はない。

むしろいろいろと学べることが楽しかった。

私が教えてもらっている横で、アンネの様子も見ることができ、本当に恵まれた環境を与えられていると思う。

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