【11/19番外編追加しました】辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
「フェリーネ様は本当に呑み込みが早くていらっしゃいますね」

「ありがとうございます」
素直にお礼を伝えればクラリスが私を睨みつける。

「フェリーネ様」

「ありがとう」
すぐに使ってしまう言葉遣いを直せば、満足げにクラリスは微笑んだ。

「アレックス殿下はまだお忙しいのよね?」
クラリスが知っているかはわからないが、ずっと気になっていたことを尋ねれば、彼女は小さく息を吐いた。

「何やらとても難しいお話をされているようですよ。人払いに結界まで。何かあるのでしょうかね」
クラリスも少し不安げな様子で答えると、窓の外に視線を送る。
綺麗な雲一つない空はとても穏やかに見える。一年中気温も安定しているこの場所はとても過ごしやすい。
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