【11/19番外編追加しました】辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
「大丈夫です。このような機会をいただけて本当に感謝しています」

「話し方も変わったかもしれないな」
それはいい方向にだろうか? その気持ちが表れていたようで、アレックス様は言葉を続けた。

「俺としては二年前の砕けた言葉遣いのフェリーネも好きだが、こうして話していると凛としてとても美しく感じるよ」
まさかそんな言葉を言われると思っていなかった私は驚いてしまう。

「勝手だが、少し遠くに感じてしまう」
私の入れたお茶に手を伸ばすとゆっくりとそれを口にした。

「このお茶は二年前もいれてくれたな」
懐かしむように言われ、私はうなずいた。あの頃もよく眠れるようにと私が調合したお茶だ。
今日、夜お越しになると聞いて準備したのは内緒だ。

「はい」
少しの無言の後、アレックス様は私に視線を向けた。
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