【11/19番外編追加しました】辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される

私の問いに、グレッグ様の奥様であるミア様は首を振った。

「アンネ様、ジェフの足は生まれつきなのですよ。生まれた時から右足が少し不自由なのです。そのことがわかるなんて、さすが殿下のお子様です」

さっきとはうって変わって、すっきりとした表情のグレッグ様はそう言うと、最後に二人を見つめた。

「無事でよかった。ミア、ジェフリーを頼んだよ」

その言葉にミア様は、きゅっと唇を噛んで頷いた。

その三人の姿に、私はいてもたってもいられなくなる。グレッグ様はどんな処罰でも受ける覚悟をされていることを知っている。ただ嘘をついただけで、今回すべてがうまくいったのはグレッグ様のおかげだ。

「あの、グレッグ様はただ潜伏して様子を見ていただけでは?」

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