【11/19番外編追加しました】辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
Side アレックス

あの時の誓いは何だったのか。自分で後悔してももう遅い。

隣で気を失ったように眠るフェリーネに、申し訳なさが募る。この数週間、初めて感じる自由に、俺は自分が誰なのかすら忘れていたと思う。

もちろん、魔力が万全でなければ、あの場所を封印できない。しかし、それは言い訳にすぎない。
王宮に帰ることだってもちろんできたのに、許されたこの1か月を彼女と一緒に過ごすことを選んでしまった。
毎日、心配をしてくれる俺の側近であり、一番隊騎士隊長のグレッグから確認する念話があったが、毎日何かをしていると偽って報告をしてきた。

すぐにでもここへ来そうなグレッグを何とか抑えるのも、そろそろ限界だった。たぶん奴は何か理由があることに気づいているだろう。
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