辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
「最近はたくさん王都からの物も入ってくるわね」

一緒に私の家へと歩きながら、私はロゼに問いかける。

「新しく道が舗装されたこともあって、馬車も来やすくなったし、王都はお祭り騒ぎだし」

「お祭り?」
アンネが生まれたこともあり、小屋の前には小さな庭を造り、椅子とテーブルが置いてある。
アンネを遊ばせながら、私とロゼはそこへと腰かける。

「うん、先日王子殿下のご婚約が発表されたのよ、それで」

「そうなの」
まだ家にいた時は、よく義母と義妹のソフィーが王宮のパーティーに行くために着飾っていたことを思い出す。
サバティーニ家は、伯爵の中でもかなり強い力を持っていたので、もしかしたらと画策していたのだ。
もちろん、そんなうまくいくことはないとは思っているが、もしかして妹の名前でも出たらと不安が襲う。
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