【11/19番外編追加しました】辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
「え?」

こんな時間に、こんな場所に来る人など、まともな人のはずがない。
そう思いつつも、そっと扉の外へ声をかける。

「どのようなご用でしょうか?」

「開けてくれ。怪しい者ではない。」
男性の低い声に、私はビクリと肩を揺らす。この森には、何かがあるとごくまれに賊が来ることがあるのだ。それと違うという保証はない。
少し切羽詰まったように聞こえる声に黙っていると、ドサッと何かが倒れる音がした。

さすがに放置するわけにもいかず、そっと扉を開けて覗いてみると、そこには一人の男性が倒れているのが見えた。
服装からして平民のようだが、珍しいシルバーブルーの髪が目を引く。それに、かなりの高身長だ。倒れているため顔は見えないが、ただ事ではないのがわかる。
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