【11/19番外編追加しました】辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される

「フェリーネ、アンネちゃん大丈夫？」
カーラが慌てたように部屋に入ってくると、アンネの瞳を覗き込む。

「大丈夫よ、ほらこの通り」
着替え終えてにこにことするアンネに、カーラもホッとした表情を浮かべた。

「ごめんね、私がついていながら」
申し訳なさそうに言う彼女に、私は慌てて首を振る。毎日遊んでもらえてとても助かっているのだ。

「それより、どうしたの？」

「ああ、そうそう。かなり兵が疲弊していて、フェリーネに薬草を調合してほしいって殿下が」

「え？ 殿下が？」
まさかそこで殿下の名前が出るとは思っていなかったが、カーラは特に何も思っていないようで話を続ける。