【11/19番外編追加しました】辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
一人になると不意に落ち着かなくなる。二年前の話をするわけではないが、やはり殿下の顔を見るとなんとも言えない気持ちになってしまう。
もう二年前のような愛だのそういった感情はとうに忘れたが、やはりアンネの父親ということは消すことができない。
広い廊下をゆっくりと歩いていると、目の前から一人の男性が歩いてくる。
それは先ほど殿下と一緒にいた男性だとすぐにわかった。立派な王家の兵の紋章、それに侯爵家の家紋。
それらからも、この人が高い身分だということは一目瞭然だった。ブラウンの髪と、知的で冷静そうな瞳。
整いすぎた顔がとても冷たく見えた。
慌てて廊下の端に寄り、道を開け頭を下げた私だったが、ピタリと私の横に立つのがわかった。
「フェリーネ嬢、こちらへ」
ゾクリとするほど低い声に、私はなぜか敵意のようなものを感じる。この人はもしかして私と殿下の過去を知っているのだろうか。
そして、どうして嬢などと呼ばれたのか。
顔が青ざめ、背中に冷たい汗が流れ落ちる。
もう二年前のような愛だのそういった感情はとうに忘れたが、やはりアンネの父親ということは消すことができない。
広い廊下をゆっくりと歩いていると、目の前から一人の男性が歩いてくる。
それは先ほど殿下と一緒にいた男性だとすぐにわかった。立派な王家の兵の紋章、それに侯爵家の家紋。
それらからも、この人が高い身分だということは一目瞭然だった。ブラウンの髪と、知的で冷静そうな瞳。
整いすぎた顔がとても冷たく見えた。
慌てて廊下の端に寄り、道を開け頭を下げた私だったが、ピタリと私の横に立つのがわかった。
「フェリーネ嬢、こちらへ」
ゾクリとするほど低い声に、私はなぜか敵意のようなものを感じる。この人はもしかして私と殿下の過去を知っているのだろうか。
そして、どうして嬢などと呼ばれたのか。
顔が青ざめ、背中に冷たい汗が流れ落ちる。