【11/19番外編追加しました】辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
もちろんその理由を問うことなどできるわけもなく、私はただ黙って彼の後をついていく。
「グレッグ、連れて来たか?」
大広間にはたくさんの簡易ベッドが置かれていて、そこには何人もの兵が横たわっていた。
その横には初老の白衣を着た男性がいて、兵を見て回っていた。
「殿下、連れてまいりましたが、役に立つのですか?」
グレッグ様は表情を変えずそう言うと、小さくため息をつく。
「フェリーネ」
数年ぶりに聞くその声は、昔とはまったく違って聞こえた。
「はい、殿下」
臣下の礼を取ろうとした私に、殿下がそれを阻止する。
「堅苦しいことは必要ない。こちらは宮廷医のマルクだ。彼と一緒に兵を見てほしい」
意外な言葉にゆっくりと顔を上げれば、まっすぐに殿下が私を見ていて、慌てて視線を逸らす。
あのシルバーブルーの瞳は、変わらず私を落ち着かせなくする。
「かしこまりました」
頭を下げた後、マルク様の元へと行けば、優しい笑みを浮かべてくれる。
「グレッグ、連れて来たか?」
大広間にはたくさんの簡易ベッドが置かれていて、そこには何人もの兵が横たわっていた。
その横には初老の白衣を着た男性がいて、兵を見て回っていた。
「殿下、連れてまいりましたが、役に立つのですか?」
グレッグ様は表情を変えずそう言うと、小さくため息をつく。
「フェリーネ」
数年ぶりに聞くその声は、昔とはまったく違って聞こえた。
「はい、殿下」
臣下の礼を取ろうとした私に、殿下がそれを阻止する。
「堅苦しいことは必要ない。こちらは宮廷医のマルクだ。彼と一緒に兵を見てほしい」
意外な言葉にゆっくりと顔を上げれば、まっすぐに殿下が私を見ていて、慌てて視線を逸らす。
あのシルバーブルーの瞳は、変わらず私を落ち着かせなくする。
「かしこまりました」
頭を下げた後、マルク様の元へと行けば、優しい笑みを浮かべてくれる。