【11/19番外編追加しました】辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
「フェリーネでございます」

「ああ、よろしくな。それほど酷い者はいないが、私は重症の者から見ていくから、フェリーネは軽い奴らに薬草を飲ませてくれるかい?」

数十人が横になっているが、確かに毒の周り方に差があるように見受けられた。

なんとなくわかる。その人の魔力や体力を確認すると、私はマルク様に言葉を発する。

「それでは、私はこちらと、あちらの三人を見させていただきます」

その言葉にマルク様はなぜか驚いたように目を見開くと、笑顔で頷いてくれた。

そばに寄り手を取れば、薬草と私の少しの治癒で問題なく回復する程度だった。
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