【11/19番外編追加しました】辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
「少し疲れたみたいだから、今日はここで食べてもいいかな? あとで取りに行く」
テーブルも椅子もあるので、カーラにそう伝えれば、「コレットさんに言っておくね」と言って戻っていった。
二人になると、私は大きく息を吐いてソファに腰を下ろす。

久しぶりに見た殿下は別人のようで、威厳と存在感にあふれていた。あの頃とはまるで別人だ。

いや、あの時から彼の振る舞いなどに違和感を覚えていた。
しかし、それを自ら気づかないようにしていたのかもしれない。知らなければ、まだ一緒にいられる気がしていた。

その後、コレットさんが私たちの夕食を運んでくれたおかげで、部屋から出ることなく過ごすことができた。
お湯をアンネと浴び、その後、アンネの部屋として与えてもらった部屋で一緒に眠る。

ベッドに入り、アンネにおとぎ話を聞かせていれば、横から寝息が聞こえてきた。

私ももう眠ってしまおうと思うも、全く寝付くことができず、アンネの寝顔をしばらく見た後、私はあきらめて隣の部屋へと戻った。
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