【11/19番外編追加しました】辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
「それが俺がいなくなってからすぐ仲睦まじくなった男か? しかしアンネはその男の子なのか?」
いわれている意味がまったくわからない。どうして一度も私のところに戻ることがなかったのに、仲睦まじい男などといわれなくてはいけないのだろうか。

その感情と、久しぶりに殿下ではなく、二年前の“アレックス”と話しているような錯覚に陥り、つい言葉が口をつく。

「どういう意味ですか? 私を捨てて一度も戻らなかったのに。何も知らないですよね?」
視線を外して口にすれば、殿下はつらそうな表情で私を見る。

「ベッドの中から動けないとき、魔力も何もかも失い、俺は使いを出してフェリーネの様子を見に行かせた。腹の大きなフェリーネと仲睦まじい男が一緒だったと」

な……。
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