ひねくれた純愛 アイリスとカーライル

帰りの列車の出来事

<帰りの列車のアクシデント>

講義と会議が終わり、
帰りの列車に乗り込むと
中は暖房がよく効いて、温かい。

車窓からの景色は、
雪が降り始めて、寒々とした木立が流れていく。

車移動でなくて、正解だったな。
到着までにまだ、1時間はかかる。

隣に座っている教授は、
相変わらず書類の束に目を通して
無言だ。
無駄な話はしない。

少しずつ乗客が降りていき、
車内は俺と教授だけになった。
「ふぅ・・暑い」

教授は誰に言うでもなく、
立ち上がり厚いコートを脱いだ。

白いシャツに黒のブレザー、
パンツスタイル、黒のローヒールが定番スタイルだ。
教授のその服以外は、見たことがない。
いや、白衣を羽織っていたことはあったが。
トンと座席に座ると、
また鞄から書類を出そうとしたが、止めた。
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