ひねくれた純愛 アイリスとカーライル
「君は目立つ.女関係でもな。
だから、しばらくはおとなしくしておけ」

車を運転する先輩は、
片手でハンドルを握りながら、
煙草を取り出した。

「禁煙しろって女房がうるさいんだけど・・仕事のストレスが
・・・半端ない」

俺も煙草を吸った。

車内が煙で充満するが、
やりきれなさはごまかせない。

車は、
森の奥の雑木林に囲まれている
白い建物についた。

「研修所支所という名称だが、
分析専門の機関だ。
君には指導教官がつく。
研修だからな。
終了後はまた、配置が変更になる」

そう言い残すと、
先輩は俺を玄関に置き去りにして、車で去っていった。
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