ひねくれた純愛 アイリスとカーライル
俺は、そのテーブルの前まで行くと、確認した。

「アイリス・ハミルトン教授?」
女はうなずいた。
「違う人かと思いました・・」

「・・・・・」
教授は視線をそらして、もぞもぞしている。

「とてもきれいですよ。
すごくセクシーだ」

俺が教授の正面の椅子に座ると、
教授が口を開いた。

「カーライル、君の評価は・・
反抗的で扱いにくいが、
仕事はできる」

それからグラスの赤ワインを、
半分ほど一気に飲んだ。

「その・・・今日は
私の疑問に答えてもらいたい。」
最後は、消え入りそうな音量だった。

「こういうシチュエーションは
苦手で、自信がないのですね」

教授は俺の顔を見ないで、
ワインのラベルを睨むように
見ていた。

ワインのせいか、
頬もピンクに染まっている。

反論できずに、
ようやく教授は、上目使いに
俺を見た。

俺はもう次のプランを練っていた。
食事が終わったら、バーラウンジに行く。

このレストランの上階はホテルだ。
もちろん部屋はとってある。

しかし、今回は教授だから
どのような展開になるかは、予測がつかない。

「さて、疑問とは・・どのような?」

教授のきれいにピンクのネイルが
塗られている指先に、力が入った。

「カーライル、
君のハニートラップは相当に効果が高い」

「おほめいただき、ありがとうございます」
俺は微笑んだ。
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