ひねくれた純愛 アイリスとカーライル
「トーマス・ハミルトンは
どこで教授と知り合いになったのか、知っている?」
ミリーはパスタのフォークを少し持ち上げて、思い出すように
「20年くらい前の話らしいけど。
教授が難民調査で、ある国に現地入りした時、
まだ幼い彼女と難民キャンプで
出会ったようよ。
子どもなのに、大人顔負けの通訳をしたらしくて。
メンサに入れるほどIQが高くて、
優秀だし、現地語に詳しいし、
使える人材だったから。」
ミリーの話は続いた。
「彼女が18・・ああ推定ね。
になると同時に、教授と結婚したんじゃない?
二人でここにもよく来ていたわ」
俺はフォークを置いて、首をかしげた。
「それにしても、年齢差がありすぎると・・思うが・・・」
ミリーもナプキンで口を押えながらも、思い出すように
「そうねぇ・・
夫婦っていうより、ご主人様とメイド?
雇い主と使用人?って感じかしら。
まぁ、夫婦の問題は外の人間には
わからないけどね」
「確かにそうだな。」