Trust
鞄を持って、くるりと背を向けると富貴の言葉を聞かずに足早に教室から出た。


人にピアノを聴かせるコトも嫌だったし、
何だか勝手にあたしの場所へと土足で踏み込んでくる彼に対して抵抗したかったからだ。


そんな感じにことは進み、今日はいつもより早い帰りになり、
スーパーに寄って夕飯のメニューを考えている。

女子高生が一人でスーパーに買い物って、
すごく所帯染みているかもって、
最初は思ったけど今はそんな風には思わなくなった。


でも、ときどきあたしと同じぐらいの歳の子が、
親子で買い物に来ているのを見ると少しだけ、
ほんの少しだけ羨ましいって思う自分がいるんだ。


スーパーで必要なものを買うと足早にそこから立ち去った。
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