クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「そうですね。昨日はお祝いでしたからね。あの飛竜舎で働いている者たちにも、豪華な食事は届けられたと思います。もちろん、お酒も」

「もしかしたら、飛竜は間違えてそれを食べてしまったのかも」
 レーニスが冗談で口にしたそれだが、あながち間違いではないのかもしれない。

「さすが、奥様ですね。そちらの件からあたってみます」
 ティメルは満足そうに頷くと、少し冷めかけたお茶を一気に飲み干した。そうとわかれば、すぐにでも飛竜の様子を確認せねばならない。ティメルが立ち上がると、レーニスに呼び止められる。

「あの、ティメル」
 ティメルは不思議そうにレーニスの顔を見た。

「その、旦那様はいつ頃お戻りになられるか、ご存知ですか?」

 ティメルはその言葉をデーセオに聞かせてやりたいと思った。だが、残念なことにあのデーセオは北の砦まで逃げている。

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